ひろきちのブログ

読書の備忘録として活用しています。

キャッシュレス化に対する地域金融機関の役割

様々なキャッシュレスサービスが乱立している現在、キャッシュレスへの注目は日々注目が高まっている。ここでは、地域金融機関のキャッシュレスへの役割について考える。

 

外部環境

政府はキャッシュレスに対して積極的な取り組みをしている。例えば、消費税増税時の景気対策としてキャッシュレス決済をした消費者には決済額の5%分をポイント還元するなどの施策を打ち出している。

経産省は「キャッシュレス・ビジョン」でキャッシュレス決済比率を現在の約18%から2025年には40%、将来的には80%にする目標を掲げている。つまり現金決済の比率が減少していくということであり、これは地域金融機関にとっては脅威となり得る。なぜなら地域金融機関の取引先の多くはキャッシュレスに対応していない現金取引が主体であり、このまま現金取引を継続していけば、これらの取引先の売上が減少していく可能性があるからである。

また、キャッシュレス決済により得られる決済データを蓄積していくことで新たなサービスを展開していこうと、決済市場には異業種異業態からの参入が相次いでいる。様々な、「●●Pay」があるなどが一例だ。メガバンク、地銀も新たなキャッシュレスサービスを打ち出すなど、まさに百花繚乱の状況であり、今後のキャッシュレス決済市場は拡大していくことが予想される。

 

地域金融機関の役割

このようにキャッシュレス決済市場が拡大していく中で、事業者はどのように考えているだろうか。現金決済が主体の事業者の声として、「決済手数料がかかる」、「決済端末の購入などのイニシャルコストが発生する」、「入金までの期間がある」などがある。しかし、これらの課題はほぼ解決されていると言える。上記のように、決済データを蓄積していきたい企業が低廉なサービスを展開しているからである。特にQRコード決済に多くの企業が参入している。

では、事業者にとってどのサービスを導入していくことが自社の売上を最大化させることができるだろうか。それはもちろん、利用者の多いサービスを導入することである。利用者視点ではどうだろう。利用者がキャッシュレスサービスを利用する際のポイントになるのが、やはり利用におけるインセンティブであり、自分自身にとってお得になるサービスを利用したくなるだろう。しかしどんなにインセンティブがあったとしても利用できる店舗がなければ意味がない。

当たり前のことであるが、事業者、利用者の双方が意識を高めていく必要がある。

ここで重要となるのが地域金融機関である。地域金融機関は、事業者と利用者になり得る預金者の両者に接点を持っているからである。事業者には新たな決済サービスを提供することができ、預金者には決済サービスを導入した店舗での利用を促進することができる。つまり両者に直接的にキャッシュレスを働き掛けることで地域のキャッシュレス化のリーダー的役割を果たすことができるのである。

時代の流れに伴い地域金融機関も柔軟な対応をしていくことが重要なことである。そうしないと地域に必要とされる金融機関になることができないだろう。キャッシュレスに対する今後の地域金融機関の動きに注目していきたい。