「売れる数字 組織を動かすマーケティング」を読んで
「売れる数字 組織を動かすマーケティング」
著者 佐藤 義典氏 朝日出版社
ビジネスは全て数字で表現することができる。数字で表すからこそ策定した戦略・戦術のPDCAサイクルを回すことができる。戦略・戦術はトップラインに影響を与える指標を考え、実行していく。
佐藤氏の本はマーケティングを分かりやすく、かつ、深く書いていることから、いつも気づきを与えてくれる。
今回の気づきはまず
●一貫性
戦略と戦術に一貫性がなければ、その戦略は成功しない。本部と営業店間に一貫性がない問題がそれにあたる。事例として31アイスクリームが挙げられていた。店舗と本部が同じ目標を持つことで、一貫性が生まれる。
●戦略BASiCS
戦場・競合、独自資源、強み・差別化、顧客ターゲット、メッセージ
この5つの要素で戦略を検討。特に強みの部分では次の3つの差別化方法がある、
商品軸 手軽軸 密着軸
中小企業では密着軸が採用されやすい
●戦略指標
・戦略指標
組織全体で追いかければ、戦略が自動的に実行される数字
・勝利の方程式
戦略指標の向上が最終成果をもたらす成功プロセス
→ 戦略行動 顧客反応 直前成果
●売上5原則
売上=客数×客単価
客数(①新規顧客の獲得、②既存顧客の維持)
客単価(③購買頻度の向上、④購買点数の増加、⑤商品単価の向上)
●行動の制限
・戦略は「行動を制限」することにより、実行される
・最終成果を評価指標にすると、行動が制限されず、戦略が実行されない
・戦略指標は、行動を制限することで戦略を実行に落とし込む
まとめ
戦略・戦術は上下左右の一貫性が重要である。一貫性を持たせることで、組織全体が同じ方向に進むことができる。そして戦略は、トップラインに影響を与える直前を目標にすることで最終成果に現れる。もちろん目標は数値が必須である。そうでなければPDCAサイクルを回すことができないからである。金融機関にとってトップラインに影響を与える目標とな何かを考えていきたい。